「賑やかに祝っていた木」 柴田 有理
私は0号展に参加するときいつも、まずもって0号キャンバスを買う決心がつきません。
それに近いサイズの物に、足すか引くかします。
今回は、ダイソーの木製フレームの縦の長さを少し切り、
盛楼閣の割箸を横に貼ることで幅を足しました。
画題は、近所の林で見かけた、火消しの纏のような、神輿の飾りのような植物です。
遠くからでも賑やかに祝っているのが目立ち、
縦に振ったり回転させたりするのに良さそうでした。
そこで「賑」や「振」の字を調べてみると、「辰」というつくりは、
二枚貝が口を開いて元気に身をうねらせているところの象形だそうで、
そう、あの植物のにぎにぎしさはそれ、と納得が行き、描きはじめました。
観察して描きながら何度も、葉の大きさや各部分の生えかたが分からなくなり、
またごく少しずつ描き進めたため、植物の伸びている動きがよく表せず、
線が窮屈になったかと思います。
気付くとこの植物はそこここで見かける木で、アオキと言うそうです。
庭木としても好まれているようです。
追記:作品を裏返すと、三角ポケットが四つ付いています。
出品票を貼るのがためらわれ、はさみ込みました。
(紙を張ったキャンバスなため、裏側が透けそうだった。)