8月22日㈪からはじまる柴田有理展、
展示作業が早く終わったため
8月20日㈯もオープンいたします。
彩画堂さんの営業時間は
10:30〜18:00です。
21日㈰は定休日になります。
どうぞよろしくお願いします。
柴田
今年の二月、肴町のホームセンターの閉店セールに行き、買い物をした。
二階の木材コーナーものぞいてみると、ちょうどいい「板」があった。
この板を切り貼りして、14×18cmにする。
一方、正月のカレンダー市で手に入れたひめくりカレンダーの、
もう過ぎ去った日の分が日々たまって行き、
その薄い紙質が気に入ったため、何かに活用したいと思っていた。
F0号展に向けて板に手を加え始めたいが、特別描きたいモチーフは無く、
ごく少しずつ進められる作業で下地を作ろうと考え、
“ひめくりをちぎったもの”で板を葺いて行くことにした。
ひめくりの日づけは、月曜〜金曜は「黒」、土曜日は「緑」、
日曜祝日は「赤」で刷られている。
この三色を、赤 緑 黒 の順で板に貼って行く。
一枚ごとに、ひめくりの余白部分(白)で覆ってから次に進む。
この作業はゆっくりと進められ、
左上から葺きはじめて右下に到達するのに、一ヶ月半かかった。
その間には、興に乗じて、
ひめくりの紙をつぎはぎしたものに自画像を描いた日もあった。
それらのことがこの板の上に貼られている。
ーーーーーーーー 一枚を葺くのにおよそ一月半14×18cm ーーーーーーーー
11首詠みました。以下にまとめます。
飛び立ちたいそれは今度に見送りたいそうなるよねえもう浮いてるよ
稲妻のようにあなたが光るのが岩手にいても観測された
はみ出しているかあるいは見通しが悪いか私の道がすいてる
雨サンキュー疲れてたんだあぶらげのみそ汁全部飲めないくらい
伝えたい誰かが誰か分からずに誰かを含む全体に告ぐ
しゃりりんと昔愛したものたちがころげ出てくる更衣の日
今使うのだから待っていてはだめ郵便局まで取りに伺う
さあ帰ろう何だか分かるものを食おう砂糖正油をなめたりしよう
俺、小島信夫が好きで自分のと小島のとシール持ってるんです
待たされたぶんだけ伸びて行きました私の根深い自信の根っこ
降っちゃったほうがいいんじゃないですかそこまで思い詰めた記念に
テーマ「幸」または自由で、11首詠みました。
以下にまとめます。
いつもなら打てる相づちだったけどやめてひんやりしに来たんだよ
止まらない悲鳴を娘に浴びせられ終えて父親 娘とイオン
今日はひとつ幸せそうな服で行く お互いによく生き延びました
俺にだけ分かる暗号をつたってそっちが前じゃなくても進む
ニュースですいいニュースです肩こりです相合傘の持ち手を持って
健やかに育ちそうにもない時期が私も何度となくありました
佐川さん走らなくてもいいんだよ幸せになりな荷物を置いて
見られたくないんだけれど変わりたい力みしかない妙なとんがり
出発は早すぎたけど伸びやかに道に迷ってちょうどよく着く
機が熟すかもしれないじゃないですか 脂肪は少し身に付けておく
幸吉はちゃんと三位になっている恋もしている眠かったろう
テーマ「花」で、15首詠みました。ずいぶん作りました。
日めくりはめくられ置かれするうちに咲きたくなったということです
タハティはフィンランド語で星 そしてクッカキンプを君に、花束。
そこなのよ はなさかじいさんの利き手の肩の可動域がすごいのよ
店内をあたたかくして待っている福寿草です 俺も寄ってこ
私ならさっさと眠ることでしょう だるいくらいでやめない椿
泣くほどじゃないけど小松菜の根元は飾りじゃなくはないのよ薔薇よ
そのままでそのまま空っぽの花壇で ほんといらないときはいらない
陽のあたる斜面で白い花が咲きはじめるThat’s all for today.
あしたにも庭のカタクリが咲くので俺は暮らしを生活します
血 斧 毒 どさくさ そんな一線は退きましたチオノドクサは
サンシュユの花がきれいに咲く丘を知ってる俺をまあ知っておけ
花巻で宮沢賢治と会うとしてセルフプリクラ撮らしてやります
先生を刺そうかという一途さで質問の手を挙げるスイセン
ひかれてる桜のもとにかけよるとこれがまんざらでもなさそうで